のんびり読書日記

日々の記録をつらつらと

Bayesian Setsの特許について

別にブログに書いてもしょうがないかなーと思っていたのですが、同じような目に遭う方がいるかもしれないのでちょろっとだけ書いておきます。

先日Stupaという関連文書検索システムを公開したのですが、その中で使用していたBayesian Setsというアルゴリズムが既に特許を取得されているため、公開を停止してほしいってメールが来ました。以前に公開したBayesian SetsのCPANモジュールAlgorithm::BayesianSetsも同様に下ろしてほしいとのことでした。特許の内容は以下のページに書いてあります。

特許の出願者がBayesian Setsの論文の著者と大学の機関のようなので、おそらく論文発表の前に出願したのではないかと思います。請求項の内容などをすべて詳細に読んだわけではないのですが、やはりBayesian Setsのアルゴリズムについての特許のようです。ちなみに今回メールを送ってきたのは出願者ではなく、出願者からライセンスを受けたという会社でした。

とりあえずソフトウェアのライセンス項目に特許に関する注意を加えたのですが、その後またメールが来て、特許が取得されたアルゴリズムを実装する事自体が特許取得者の許可がいるとのことで、やはり削除してほしいとのことでした。あまり揉めるのも嫌なので、結局StupaからBayesian Setsに関するコードをすべて除いて、リリースしなおしました。検索部分はIDF+内積、IDF+Cosine距離に変更しましたが、Bayesian Setsと比較してそこまで精度が落ちる分けでもないので、まあ問題はないかなと。

また日本ではまだ公表のみで特許の取得には至っていないようですが、特許が権利化された場合は出願日まで遡って権利が発生するらしいので、後々のことを考えるとやはり使わない方がよさそうです。そもそもGoogle Code上で公開しているので、日本の特許だけで閉じて考えられるのか非常に怪しいところですが。

特許についての知識は全くないので、いきなり今回のメールが来たときはかなりビックリしました。公開してあまり経たずにこんなことが起きたので、モチベーションもガタ落ちしたり…。地雷踏んだなぁという感じなのですが、こういうことってよくあるものなんですかね?企業でがっつり取り組む気なら、あらかじめ知財担当にお願いして特許を調べてもらうこともできると思いますが、個人でオープンソースを作っている場合とかでは特許を調べ上げるのは結構大変そうな気がします。日本の特許だけじゃなくて海外の特許までが影響を受けるかもしれないとなると、調べるのにかなりの労力が必要になりそうですし。今回のような場合ならまずは、論文の著者に特許を取得するのかどうか聞くのがいいのかな?

結論は特にないのですが、すぐに頭を切り替えて別の対応策を取れるように打たれ強くなりたいな、と思う出来事でした。本当はもっと事前対策を打てることが一番なのですが^^;